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2012年8月10日
日米合作映画「千里眼」大川プロデューサー インタビュー

大川 祥吾プロデューサー

大川 祥吾

株式会社スイッチ代表取締役。2003年にIP事業を手がける株式会社ケイブに入社。マネジメント職についてプロデューサー業務に従事し様々なコンテンツ製作に携わった後、2011年に映像制作プロダクションとして株式会社スイッチを立ち上げる。現在はPVや各種映像コンテンツの製作を行う。

日米合作映画「千里眼」について

バイリンガル脚本家、渋谷悠が紡ぎだす言葉、
日系アメリカ人監督Dean Yamadaが切り取る日本の現在——
彼らが作り上げる幻想とリアリズムの融合は世界中の観客を魅了してきた。
2009年9月『自転車』、第66回ベネチア国際映画祭、入選。
2012年2月『干し柿』、第34回クレルモンフェラン国際短編映画祭、入選。
そして今、プロデュース陣にJack Haferと大川祥吾も加わり、初のオリジナル長編映画を準備中。先行き不安な映画業界の中、日米共同、そしてインディペンデント制作に映画の未来を賭ける。
プロジェクトの名は『千里眼』、その場にいながらも遠くを見る能力のことを言う。

(大川 祥吾プロデューサー=大川

聞き手
本日はよろしくお願い致します。
撮影は順調に進んでいますでしょうか?
大川
まずまず順調ですね。日本サイドがキャスティングを、アメリカサイドが技術周りのスケジューリングをやっているので、その擦り合わせとかで多少のズレはあります。でもすごくいいものが撮れていて、現場が大混乱なのは、日・米関わらずそんなもんなんかなと思いながらやってます。
聞き手
なるほど。先ほど現場を見学させて頂いた際に、かなりアメリカ人のスタッフが多いような印象を受けたのですが、スタッフの日:米の割合としてはどのくらいなんでしょうか?
大川
スタッフは8から9割アメリカの方ですね。
聞き手
今回のように日本とアメリカ、など異国の人と一緒に作品を作っていく上で大変だな、と思われることはありますでしょうか?
大川
今回は「日米合作」と言っても、結構しっかり技術面はアメリカ、制作面は日本、という感じの分け方をしているので、現場に入ってしまえば、彼ら(アメリカ人スタッフ)にお任せ、という感じです。ただ、現場に入るまでが大変ですね。ロケ車なんかを借りてスタッフを一気に移動させられれば良いんですけど、なんといっても低予算なので実際はそうも行かなくて、電車やバスなどの公共交通機関を使って移動してもらっているので、そういった部分ですね。僕はプロデューサーなので、「何時にこの駅に来て」って言うだけなんですけど、多分彼らは必死の思いでそこに辿り着いてくれてるんだと思います。
聞き手
あまり日本での経験が無い方々がスタッフの中に多い、ということなんですか?
大川
そうですね。バイオラ(大学)チームの中には一人だけ日本に詳しい子がいるんですけど、それくらいなんですよね。みんなある程度自分で移動は出来るんですが、やっぱり日本人でも知らないところに行けば大変じゃないですか?だから彼らも大変なんだろうなぁ、と思います。

聞き手
では、逆に日米合作の作品を作っていて、面白いと感じるところはありますか?
大川
「日米だから」なのかはわからないですけど、「感覚が面白いな」と僕は思いますね。日本人でも凄い人はそうなのかもしれないですが、映すシーンの切り取り方とかがどことなく違うような気がするんですよね。感覚的なものでしかないんですけど。だから、「日本人が見る日本」じゃなくて、「海外の人が見る日本」、っていうフィルターがどっかに入ってるんじゃないかなぁ。今日の現場(小学校の教室)にしても、アメリカ人からしたら珍しいわけじゃないですか。ランドセルも向こうにはないし、職員室のごちゃごちゃした感じとか、アメリカには無いものばかりで。それを1つ1つ「すげぇ」って言いながら撮ってるのは画にも反映してるような気がしますね。
聞き手
監督もアメリカの方なんですよね?
大川
そうですね。日系三世なんですけど、アメリカで生まれ育っているので完全なアメリカ人です。
聞き手
そうなんですね。では、アメリカ的な感覚を持つ監督さんと一緒に仕事をしていて、いかがですか?
大川
僕は日本のプロデュースの中でも特にキャスティングをメインに見ていて、アメリカ人クルーとのコミュニケーションは脚本の渋谷君がやっているので、具体的なやりとりはあんまり無いんですが、渋谷君の話を聞いてると、大変そうだな、とは思います。
聞き手
具体的に言うと・・・?
大川
「感覚の違い」なんですかね。時間の感覚とか。俗にいう「THEアメリカ人」みたいなことなんですけど。低予算っていうところで言うと、日程的にだいぶ詰め込んでやらなきゃいけないわけで。日本人でさえストレス感じるのに、慣れない場所ではもっと大変ですよね。あとは、今回撮影が19日間あるので、なんとか彼らがホームシックにならないように気を付けていますね。お弁当ばっかりじゃ寂しいかな、と思ってパンをたまに出してみたりすると、それが意外と不評だったり、みたいなこともあります。試行錯誤してます。
聞き手
スタッフの方々が働き易い環境作りを行ってらっしゃるんですね。
大川
まぁ現場での僕の仕事はそれなのかな、っていう意識でいます。
聞き手
先ほどお話の中で、「外国人が見る日本」ということをおっしゃっていたのですが、やはり今回の作品は日本人監督が撮る日本映画とは違う作風になることが予想されますか?
大川
はい。違うと思いますよ。今回の長編を撮る前に、同じ監督、脚本、主演という枠組みで「自転車」と「干し柿」という短編を撮っているんですよ。それらの作品を見ると、明らかに日本人が撮る日本映画とは違うと思います。日本なんだけど、日本じゃない感じというか。観ればわかると思いますけどね。映像をやっている人はもちろん、一般の人にもそれは伝わるんじゃないかな。
聞き手
そういった点を意識して今回の作品作りを進めてきた、というのもあるのでしょうか?
大川
そうですね。前2作の短編を見て、「アメリカ人が撮る日本は面白い」っていうのがあったので、そういう点を意識してやってきてます。
前2作に関して言えば今回脚本の渋谷君がプロデューサーだったんですけど、今回は僕もプロジェクトに参加した、という形なんですよ。僕としては長編のプロデューサーをやるのは今回が初めてなんです。
聞き手
今回初めて長編、しかも日米合作作品のプロデューサーに挑戦されて、いかがですか?
大川
大変・・・ですね。でも面白いです。長編が初めてだからなのか、日米合作が初めてだからなのかはわからないんですけど。正直僕は全く英語が喋れないんですよ。で、クルーは全く日本語を喋れないっていう状況で。初日、2日目の時は全くコミュニケーションが取れなくて困ったんですけど、徐々に彼らも日本語を覚えてくれたりしていて、最近では現場で国際交流ができています。僕がいつも機材車の鍵を預かってるんですけど、たまに機材を取りに行くためにアメリカ人クルーの男の子が「キーをくれ」って言いにくるんですよ。そんなやり取りが何度か続いたあと、その子が「Keyは日本語で何て言うんだ?」って聞いてきて、「カギ」と教えると、その後から毎回「KAGI」って言ってくれるようになったりして。
聞き手
低予算映画ならではの苦労話などはありますか?
大川
低予算、と言っても、機材などはとても良いのが揃っているので、撮れている映像はかなり良いと思うんですよ。ただ、キャストやスタッフの控え室やケアなどに回せるお金が少ないので、作品の裏側は大変なことになってますね。先日、草木が生い茂っているような場所でのロケがあったんですけど、アメリカの子って暑さに弱いみたいで、みんなタンクトップにショートパンツみたいな服装で来るんですよ。そしたらもう蚊の餌食になっちゃって、一番多くて250カ所くらい刺されちゃった子もいたみたいです。(笑)
聞き手
それは大変でしたね。キャストの方についてもお聞きしたいのですが、日本人キャストとアメリカ人監督のやりとりを大川さんがご覧になっていかがでしたか?
大川
今回、脚本は日本語版・英語版の両方を用意してありますし、監督自身、日本語は喋れないけど、聞くのはある程度大丈夫なので、俳優さんの演技を見て、感情が伝わっているかどうか、とかを見て演出をしているんだと思います。あとは、脚本の渋谷君やバイリンガルのスタッフが俳優さんと監督の間に入って細かい指示を通訳したりもします。その分、丁寧に、じっくりと動きがつくられているな、という印象があります。
聞き手
では、キャストの方が台詞を噛んでしまったり、言い間違えてしまったりすると思うのですがそういったチェックはどうされているのですか?
大川
その辺りは、ほぼ自己申告制ですね。(笑)
聞き手
なるほど。では監督・キャスト間のやりとりは周りの方に支えられながらもスムーズに進んでいる、ということなんですね?
大川
そうですね。俳優さんも経験豊富な方たちなので、監督自身も一語一句どうだ、ということよりも、どこに感情の山を持って行くか、役者さんが持って来たエネルギーをどっちの方向に流すか、とかそういう演出をしてくれているんだと思います。
聞き手
なるほど。大川さんは今後も海外のクルーと一緒に仕事をしていきたい、と思われますか?
大川
そうですね。現時点でも、日本の映画は日本だけじゃなくて海外も視野に入れて売っていかなきゃいけない、というのはずっと言われていることなので、今回のような形かどうかは別として、常に世界を意識していかないとなあ、とは思います。そういう国際的な感覚は持っていないとなあ、と。あ、でもまず英語を勉強しないと(笑)
聞き手
本日はお忙しい中、ありがとうございました。

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