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2012年3月11日 「桃まつり」主催の大野敦子さんにインタビュー

映画・プロデューサーの大野敦子さん

大野敦子(おおのあつこ)

1975年、神奈川県出身。映画美学校第二期卒業。
『秋聲旅日記』(03 青山真治)、『稀人』(04 清水崇)、
『ゲゲゲの女房』(10 鈴木卓爾)などのプロデュースのほか、
『ミュージック・クバーナ』(04 ヘルマン・クラル)
『Tokyo! Merde』(08 レオス・カラックス)など海外の監督作品の製作にも
関わる。近作は『ロックンロールは鳴り止まないっ』(11 入江悠)、
『アトムの足音が聞こえる』(10 冨永昌敬)、
『明日泣く』(11 内藤誠)、『同じ星の下、それぞれの夜』(12冨永昌敬、真利子哲也、富田克也)など。

★「桃まつり」とは?

「若手女性監督たちにもっと上映の場を!」と立ち上がった女性監督による製作・上映集団。2006年にはじまった桃まつりは、今年で4回目を迎え新たな才能発掘の場として、日本のみならず海外の映画祭からも注目を集めている。去年は様々な都合から開催は延期されたが、8月にオーディトリウム渋谷で開催された回顧上映『収穫まつり』にて2012年に再始動を宣言。
そして今年のテーマは「すき」。
感じる愛、恋、連帯などの愛情にまつわる新作短編9本を上映。

(聞き手:福嶋美穂=福嶋
(大野敦子=大野

福嶋
今年も上映が近づいてきましたね。毎年、この監督でいこうという選定はどうされるのですか?
大野
この方にアタックしようか?などと運営スタッフと相談し、過去作品を観せていただき可能性を感じた方にお会いし、こちらの意図をお話して、お互いに合意ができたら、、、という感じです。
福嶋
大野さんはプロデューサーとして今までに沢山の作品をプロデュースされていますが、今回はプロデューサーではないのですね。
大野
これは完全な自主映画なので、監督ひとりひとりがプロデューサーで、私たちはプロデュースというより主催みたいな運営スタッフといった感じです。
福嶋
このお祭り?「桃まつり」が終わった後など参加監督たちに何か変化はありますか?
大野
そうですね〜まずは人に観せることをすごく意識されるようになります。作る事は今までやってきた方が多いのですが、それを観せることまで(上映まで)を自分でやることが初めてに近い方が多いです。
普通であれば配給や宣伝の方がやっていくことを全部各監督がやっていくわけですから、その大変さにみんな、、、(苦笑)
批評家の方に作品を観て書いて下さいって直接お願いをすることとか慣れてないんです。やっぱり大変なんですよ。批評されることにも慣れてない。
監督達には上映中はできるだけ劇場に来て下さい、その後お客さんと直接感想などお話して下さいと伝えています。
これは面白いなぁと思うのですが、お客さんは必ず3本観るとそのうちの中で1本は好きな作品があります。もちろん偏るのですが「あれがいい、これがいい」と「このなかでも私はこれ」などという観方をして下さる方々がおられ、評価ってひとつじゃないんだなってことに気づけるっていう。
後は一回きりの上映会でなくいろいろ各地をまわって上映をすると、やっぱり短編でなく長編を作りたいよねぇ〜という話になりますね。
桃まつりでの変化というと、自分の作品を客観的に観るきっかけになるのだと思います。
福嶋
「桃まつり」ですが、どちらかというとワークショップと一般映画制作との間にあるような企画に感じますが。ワークショップにしては、時間もお金もかけておられますし。
大野
そうなんです!「あなたの一年間を桃まつりにだいぶ投入しなきゃならないけど大丈夫ですか?」ていうのを最初聞くんです。つくるだけじゃないですからね。
福嶋
今回は9本ですが、毎回何本の作品をプロジェクトするのか決めずに出会った監督だったり、いいと思った作品を進めていくという感じですか?
大野
前回は、11本あったんですね。で、その前は9本。という感じでばらつきはあるんですが、だいたい9本ぐらいがまとまりとしていいのかなあと思っています。
まず、桃まつりの上映期間が2週間なのでその中でできることをやろうと決めています。
福嶋
にしても女性監督が9人も集まると大変でしょうね(笑)
大野
そうですね(笑)そこはけっこう皆さんに期待されている部分でもあるんですが(笑)女の子たちで集まって作るのは、楽しいんですけどね。
福嶋
では6回目の桃まつりはプロジェクトの当初の段階からメイキングを撮ると面白いでしょうね。
大野
実は、動画っていうのは少し考えたんです。宣伝作業をするたびに、YouTubeに挙げていったら面白いなあと思ったんですが、そこまでなかなか動けなくて。
福嶋
どうやら監督同士の殴り合いの喧嘩があるという噂ですし、、、残念。
これだけの個性豊かな監督さんが毎回、作品を作られている中で印象に残っているキャスティングに関してのお話などありますか?
大野
そうですね、、、。桃まつりでオーディションした話とは違うんですが、第一回目の深雪監督作品「たんぽぽ」に出てくれた、染谷将太君。
「たんぽぽ」の時は、監督がこういう脚本で、こういう人探してるんだけどっていう時に「いい人がいますよ」って言って紹介して会ってもらい決定したんです。
その後、ちょうどオーディションをしていた冨永昌敬監督が「たんぽぽ」を観て「パンドラの匣(劇場映画「パンドラの匣」)やるんだったらこの人じゃないとだめだ」「このひと(染谷将太)でできないんだったら、この企画はない」と惚れこんでいました。瀬々敬久監督も映画「泪壺」に染谷君を起用するんですが、それも「たんぽぽ」を観て「コイツはすごい、、、!」みたいなことで起用されました。その後の活躍は皆さんご存知の通りで、本当に嬉しいです。
福嶋
いい話ですね。
役者さんにとって、すごくいい出会いだったんですね。いい出会いを作るのも努力は必要ですが。
大野
そうなんですよね。ただ、今までの桃まつりなどではやっぱり、俳優事務所さんに「こういうことやりたいんです」ってオーディションを呼び掛けるにしても、なかなか初めてだとFAXの送り方ひとつ、どういうことが失礼なのかなど、わからずにやってる人もいます。困りながら「どうしたらいいんでしょうか?」っていう質問があったりしましたね。「変に体裁を整えるのではなく、作品に対する思いと、お金が無いならないっていうのを最初に言ったほうがいいよ」とか、教えたりしていました。
福嶋
作り手の熱意と面白そうな作品内容かでキャスティングは決まっていくんだなぁと思いますよね。
大野
そうですよね。有名か無名かではなくこの人がいかにこの役にとって必要かっていうのを見るわけですよね。
また、いかにそういう出会いがあるかっていうことですよね。
福嶋
にしても毎年毎年、作りたいって言う人が出てくるのもすごいなあと。それに、ここではそれが女性ばっかりなのも(笑)
大野
はい、あははははは。
福嶋
なので、裏話はこの後個々に聞いてみます(笑)
大野
あ、ぜひぜひ。いっぱい語れると思います。
福嶋
では最後に、大野さんにとっての桃まつりですが。商業としては成立したない自主映画という言い方ではあまりに曖昧な気がしますが、この「桃まつり」プロジェクトで映画を作るということを団体として一年間やる。でも同じメンバーではなく新しいメンバーでやる。それは育成に近いんでしょうか?目指すところは何なのでしょうか?
大野
育成というとおこがましいのですが、どちらかというと、、、きっかけというか、ひとつの通過点という言い方がいいかもしれません。そして監督や、役者さんを見守っていいただけるようになるのが一番いいなと思います。
そして、今までやってわかったことは「次やらないの?」って言ってくれる人がいるっていう。認めてくれている人がいるんだと思うのは大変嬉しいです。
待ってくれている人達がいるっていうことが一番大きいですね。そんなことを感じると、、、、辞めるのってすごい簡単なんですけど。続けていきたい自分の根性みたいなものもありつつ、、、まだまだ続きますよ、、、(不敵な笑)
福嶋
貴重なお話、ありがとうございました。

その後、会議室に移りケーキを食べながら桃まつりの監督たちが宣伝会議をしていたので合流。
会議の内容は、劇場に置くパブボード(作品など掲載された記事など集めて作る掲示ポスターのようなもの)のサイズや中身、映写チェックのスケジュール、トークイベントのテーマやイベントチラシの打合せ、当日の司会担当や当日のビデオカメラ・スチールの記録担当などの役割分担。
あまりにも桃まつりプロジェクトに集中しすぎて夫婦のミゾが、、、など女性監督ならではの問題も。
まだまだ問題山積みな女達が髪を振り乱し「すき」と叫んでおりました!
公開が楽しみです。

・桃まつりpresents すき 開催期間
2012年 5月26日(土)~6月8日(金)
・会場
PLANET+1(プラネットプラスワン)
大阪市北区中崎2丁目3-12
パイロットビル2F
・参加監督の過去作品の併映(予定)
・舞台挨拶、ゲストトーク有り

詳細スケジュールは追って公式HP(www.momomatsuri.com)にて掲載予定です。

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