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2011年12月3日 「マジックアンドロス」舞台挨拶時インタビュー

マジックアンドロスのインタビュー

「左写真:左から、リム・カーワイ監督 / 杉野希妃 / キム・コッピ / ヤン・イクチュン」

(聞き手:福嶋美穂=福嶋
(杉野希妃=杉野 / ヤン・イクチュン=ヤン / キム・コッピ=コッピ / リム・カーワイ=リム

福嶋
今回のマジックアンドロスですが、杉野さんはプロデューサーと俳優としての参加ですが、女優として演じたい役を脚本に盛り込んだのですか?又は、リム監督が杉野さんに演じてもらいたい役を脚本に盛り込んだのでしょうか?どのように配役が決定したのでしょうか?
杉野
リム監督とは企画から一緒に考えました。
たまたま映画を観に行った帰りにヨーロッパのバカンス映画というか、アジアのバカンス映画があったら面白いなぁ〜というところから始まりました。企画を建てる時に「私がこういう役を演じたいからこういう作品を作りたい!」という場合と「こういう映画を作りたいから、その中でキャラクターをどうしていこうか?」という作り方が私の場合あるのですが、今回は別々の場所から女の子が集まり、その中で奇妙な関係になっていくという物語があったうえでの企画でした。女の子を陰と陽にするとしたら?という中で私はどっちの役をやっても面白そうだしどっちもいいなと思っていたのです。確かに魂が移り変わる役なのでどっちも同じだと。すると、チャットをしていた時にコッピが「陰の役をしたい!」と言ったので「じゃあ私は陽の役するー!」となったんです。
福嶋
今回は想いから生まれたキャスティングでしたが、このマッチングサイトで重要視しているオーディションについてプロデューサーと女優という両面をお持ちの杉野さんはオーディションの意義など感じることはありますでしょうか?また、オーディションをする事で俳優さんとして意識が変わったりすることなどあるのでしょうか?
杉野
オーディションには長所も短所もあるように思うんですね。やっぱり日本でオーディションをするという事になると製作側からしたら色んな意味があって、勿論素晴らしい人を選ぶという意味もある中、その一方でギャラを抑えるという意味がある場合もあったりするんですよすね。なので私としては一概にオーディションが良いのか?悪いのかはわからないんです。役者として、この役をやって欲しいと言われれば、オファーをされたからこそ頑張らなければいけないという気持ちもより生まれると思いますし。オーディションに受けて受かったから、更に頑張ろうという気持ちも生まれますし。どちらだから演技が伸びるとか、どちらが責任感が生まれるのかとこれも一概にどうというわけではないとは思います。役者としては変わらないとは思っています。
福嶋
そうですよね、大きく良い悪いの話しでいくと難しいと思います。ただ、主役でなく脇役であったりエキストラであったり現在オーディションが必要だと分かっていても、なかなか時間とお金と作業量でオーディションができてないケースが多い現状があると思うのです。
杉野
やはり作り手として、細かい部分にもこだわるという意味でのオーディションはとても意義深いと思いますし、しないといけないのではないかと思いますね。
福嶋
グローバルな活躍をされていますが韓国や日本でオーディションに違いなどありましたか?
杉野
オーディションの違いは無かったです。ただ監督ごとで違いました。こういう役だと思って私と会話をしてくださいという監督や、募集が2役あって両方演じてみてくださいと言われたり、国というより監督がどういうスタイルで演出したいかなのだと感じました。

マジックアンドロス

「左から、杉野希妃 / キム・コッピ」

福嶋
韓国ではオーディション文化はどれくらい浸透しているのでしょうか?
ヤン
やはり韓国では有名な俳優ではオーディションを受けたりとかはないです。しかし、そうでない人はオーディションするのが大前提ですね。
まず、俳優としては事務所に所属している人だと事務所がオーディションの場を提供してくれていたりしています。ただ、それが良い結果に結びつくかどうかはわかりませんが機会はありますよね。そういう意味ではフリーの役者さんの立場では、自分を売り込むとか機会を掴むための可能性のツールという意味でオーディションは非常に大事だと思っています。
福嶋
監督としてキャスティングについてどのように感じ、考えておられますか?
ヤン
自分としてはオーディションということにはこだわらずに色んな物を観て、色んなところに出向き、新しい俳優を探していこうというタイプです。短編映画などを意識して観ようとしているし、探そうとしています。昔は短編映画を300本400本毎日観続けた時もあります。
オーディションというのは今までいない人を探す、そういう人たちに機会を提供するというマッチングという意味では非常に重要だとおもうんですね。ただ、自分が今までで経験したオーディションというのを振り返った時に、原石というか輝く人を見つけられたというケースは残念ながら少なかったのです。いわゆる商業映画の世界では特に顔やスタイルという様なことが求められ、自分が求めている活き活きとした演技というのを探せたということを聞いたことがなくて、それで私は自分の目で足で探していくという事にしています。
福嶋
まさに短編映画が俳優にとっての動画リールであり、毎日の全てがオーディションに通じるんですね?
ヤン
そうですね!(笑)ただ、だからといってある俳優に会った時でも観察するように観るわけではないんです。かもしだす雰囲気であったりは感じようとしますし、一緒にご飯を食べるような機会があった時でも、その習慣であったり性格であったりを感じながら参考にするようにしています。
美人だとかカッコイイだけではなく、その人がどういった人生を歩いてきたかが大事なんですよね。それは出会ったところで、その人の以前というのは知ることができないのだけれど、会った時のかもしだす雰囲気だったりとかで感じ取って、その人をキャスティングするかどうかという分岐点になったりするということなんです。
福嶋
人と出会って感じ取るという場をオーディションで出来ることを、私たちも望んでいるんです。目指すところは同じだと思います。
ヤン
演出者はまず、そうやって人と出会ってそういう自分の視野を広げていかなくてはいけないですよね。
俳優もキャスティングされる為に頑張るのではなく、ただそこで一生懸命頑張るということで生まれる雰囲気というのが結果的にキャスティングにつながったりするので大切にしなくてはいけないと思いますね。
ただ最近、俳優として怖い事があると思うのです。特に最近リアリズムを重視した映画というのが多いのですが、そうすると演技もドキュメンタリー以上になるといけないですが、きわめてドキュメンタリーに近い水準になっていくことと思います。例えば是枝監督もそうだと思うのですが、これまで演技をやっていなかった人と一緒にキャスティングをするというケースも増えていると思います。俳優としては、逆にそれまでの自分は俳優だという意識を抑えて演技をするという場が大事になってきたりするんだと思います。

マジックアンドロス

福嶋
(はっしまった!杉野さんヤンさんとの話しが弾みコッピさんへの質問時間が、、、後少しに)コッピさんのオーディション経験などいかがですか?
コッピ
そうですね、実は最近はオーディション受けなくなりました(笑)。私の場合はいくつかの作品に出てからそれを観てくれて「一回話してみよう」と言われることが多く、それがキャスティングにつながるというケースが増えてきたのであまりオーディションを受けなくなったのです。
福嶋
作り手にとって演技を観てその役者さんに興味を持ち惹かれていく。とても素敵な出逢いだと思います。今日もこの後、日本から映画の出演オファーがあるということで、監督とお話しされに行くんですね。次の出演作も楽しみにしています。そして、年明けにもう一度お逢いできる機会がありそうですね???その時にこの続きを是非!!

マジックアンドロス

「左から、ヤン・イクチュン / リム・カーワイ」

福嶋
リム監督。お久しぶりです!初日の舞台挨拶を見ていても、出演者の方々がとても楽しそうで良い出逢いの中で映画を作られたのではないでしょうか?
リム
そうですね。撮影はとても大変でしたが、この映画を作ることによって、素晴らしい3人と一緒に仕事することができて、とても幸せだ思います。
福嶋
監督1本目の「アフター・オール・ディーズ・イヤーズ」2作目の「マジックアンドロス」3作目の「新世界の夜明け」と、この11月12月に関西上映で特集されていますがお客さんの声はいかがでしょうか?
リム
3作品共、ジャンル、スタイル、テーマと全然違いますので、3本とも観たお客さんは「かなりびっくりした」と同時に「がっかりした」という声もよく聞きます。例えば「新世界の夜明け」の楽しさとわかりやすさに楽しんだが、「アフター〜」と「マジック〜」の難解さにぶつかると、どう理解すればいいのかわからないなどです。けれど、自分にとっては3本とも共通点があります。それはまず、3本の主人公とも異邦人なのです。あるきっかけで自分が想像した世界とまったく違う世界に迷い込んでしまい、不条理か不思議な体験をしてしまうという点です。「アフター」と「マジック」の舞台はどこにあるか特定するのがほぼ不可能で抽象的です。しかし「新世界」が物理的、具体性を持つ実在する大阪の街・新世界を舞台にしていても、よく新世界の街を知っている方でもおそらく無国籍で、架空的な新世界と映るはずです。実際、そういうようなことを鋭く見抜いた観客も居て、作り手としての自分はそういう観客に出会えた事がやはり嬉しいのです。
福嶋
3作目の「新世界の夜明け」は初めての日本で撮影しということで、初めて日本でオーディションをされ、そのオーディションを受けに東京からも役者さんが来られたと聞いています。オーディションをするのがとても大変だったと?
リム
今まで3本を作りましたが、3作目の「新世界の夜明け」ではじめてオーディションを行いました。やってから、その楽しさと面白さをわかったのでこれからもどんどんやっていきたいなあと思います。理由は、ヤンさんとコッピさんも言いましたが、オーディションは有名な役者が来ても意味がなく、あまり知られていないこれからチャンスを掴んで活躍したい人々の場ですね。そういう意味では何をやらせても、何回オーディションをやっても自発的に遠くてもオーディションを受けに来てくれるのです。僕のオーディションは映画に合う役者を選ぶのではなく、いろいろな役者を見て、もし面白い人がいればシナリオもその人に合わせて書き直すなども考えています。そして心の中で、もしこの人でいくと決めたら何回も彼、又は彼女を別の人と合わせて映画のシーンのオーディションをやらせます。実はそれが映画のリハーサルにもなって、現場の時間を大分節約できました。「新世界の夜明け」を見てわかると思いますが群像劇で、メインキャストと脇役が多いです。しかし、8割程が映画初出演した素人の方にもかかわらず皆は個性的で輝いていると思います。
福嶋
ありがとうございました。オーディションで出会い真剣に作品や演技を考えている姿勢が、その人のかもしだす雰囲気として個性につながるんですね。

マジックアンドロス

映画館シネ・ヌーヴォ(大阪・九条)http://www.cinenouveau.com/
12月3日〜16日上映作品【マジック&ロス】http://magicandloss.com

2010/日本・韓国・マレーシア・香港・中国・フランス・アメリカ/カラー/81分/HD/Stereo

監督・編集・構成&プロット:リム・カーワイ
プロデューサー:杉野希妃
出演:杉野希妃、キム・コッピ、ヤン・イクチュン

制作プロダクション・配給:和エンタテインメント
製作:「マジック&ロス」製作委員会(S・D・P、シネグリーオ、和エンタテイメント)
©2010「マジック&ロス」製作委員会

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